遅くなりましたが、中小企業大学校東京校で平成23年から実施されている「経営指導員向けの支援能力向上研修」小規模企業支援能力向上研修のご報告です。毎年、6月と12月の年2回実施されている講座ですが、今年度は6月と11月に実施されます。

6月の第一回目では 34名の受講者が全国から集まってくれました。県商工課連合会、商工会、商工会議所、産業振興財団、産業振興機構と多様な支援団体からのご参加です。

今回はコロナ感染対策という事もあり、教室を二つに分けての「対面2教室運営」での研修でした。正直言って「やりにくい」ですねぇ~~(笑)

教室が分けられてしまうと、受講者個々の状況が見えにくくなりますし、教室毎で温度差が生じてしまいます。ただ、一方的に講義を聞くスタイルの研修であれば教室が分かれても差は出にくいですが、「双方向での研修」を意識して研修内容を組み立てている私にとっては、なんだかやりにくかったです(笑)

今回の研修では、私の地元の伊豆の国市商工会の職員も参加していましたので、ちょっと気合が入りましたね~~~

この小規模企業支援能力向上研修は平成23年(2011年)から実施されていますが、私が担当する分野は「相談対応能力向上」なので非常に基本的な事を大事にしている内容です。基本的な事だけど、重要ですし、かつ、実は奥が深いんです。

なぜ、会員事業所さんとの相談業務を重視するかと言いますと、「会話=相談対応・相談業務」を通じて、会員事業所さんの可能性を引き出す事が出来るからです。

支援機関担当者が引き出す会員事業者の可能性

本年度、小規模企業支援における伴走支援の在り方として中小企業庁では新型コロナ・脱炭素・DXなどの環境激変下における経営者の存在力引き出しに向けて「対話・傾聴」を注視しています。

伴走支援お在り方検討会概要書-経営力再構築伴走支援モデル

この事自体は重要な事ですし、支援担当者にとって非常に大事な事なんですけど、反面、勘違いや中途半端な認識での間違った「傾聴伴走支援」が起こるリスクもあります。

伴走支援お在り方検討会概要書-対話と傾聴

だからこそ、上っ面な知識やテクニック重視の傾聴やコーチングではダメなんですよね。傾聴テクニックを使う前にコミュニケーションの土台を理解しておかなければダメです。

それを踏まえた上で、経営指導員としての知識や経験、ネットワークをフル活用して伴走支援をしていくのが本当の「対話による伴走支援」だと思います。

しかも、経営指導員は「支援の結果は使命感×熱意×能力」の掛け算で出る事をしっかりと認識する事です。小規模企業の会員事業所さんは人生をかけて商売をしています。その時に支援担当者が単なる仕事として支援をしたら会員事業所さんの心に届きません。覚悟や使命感、熱意をもって、支援をする事に支援担当者も必至になる必要があります。

そんな事を、お話ししながらロープレで体験をしてもらいながら学ぶのが中小企業大学校東京校で開催されます、小規模企業支援能力向上研修です。

経営指導員は「支援の結果は使命感×熱意×能力」の掛け算で出る事をしっかりと認識する事です。

まだ、この研修を受講していない経営指導員の方は是非、ご参加くださいね!

【受講者のアンケート・フィードバック】
受講してくださいました皆様から、講師へのフィードバックを頂きましたのでそれもご紹介しておきます。

■渡辺講師へのご意見・ご感想■
・理解できている内容が多かったが、再確認できて良かった。
・コミュニケーションのロープレが役に⽴った。
・客観的に⾃分の相談対応が⾒れてよかったです。
・相槌の⼤切さを知った。今後の会話に活かしていきたいと思った。
・内容と時間が合っていた。
・ロープレのテーマ(事例)がとても良かった。実践的で、⽀援業務に活かせる内容だった。
・学んだことを、これから意識して相談業務にあたり、スキルアップしていきます。
・コミュニケーションのむつかしさを再確認でき、⾮常に参考になりました。
・⼤きな声ではきはきと講義いただき、とても分かり易かったです。コーチングのロールプレイ演習は緊張しましたが、グループの⽅の指導⽅法を⽬の当たりにすることができ、とても参考になりました。
・⾃分の相談業務での問題を⾒つめなおす機会になったことと、今までの相業内容のやり⽅、取り組み⽅を変えるきっかけになりました。
・模擬OJT は⼤変参考になった。相談役、⽀援者役、観察役とそれぞれの局⾯をキャッチする⼤切さを何となくではあるが体験できた。