9月の終わり(9/28~10/2)に実施をしました商工会職員(記帳代行担当職員)さんの「記帳代行業務の効率化と正確性の向上」及び「相談対応力向上OJT」の研修では、研修後に自分自身が担当する記帳代行先の業務フローの見直しと効率化の改善を3~4社実施するのが宿題(課題)になっていました。

その宿題(課題)の達成に向けて、Facebookでメッセンジャーグループを作成して、約2週間ごとに進捗の確認をしていって、最終の確認の研修がこの研修です。

9月の終わりに実施した研修でも伝えましたが、「なぜ、記帳代行業務の効率化と正確な処理の向上が必要なのか?」を会員事業所目線と商工会目線で再確認し、各人で下記の項目について内省をして報告をしながらのグループディスカッションを行いました。
・自分が立てた改善等の目標
・自身の記帳代行業務の改善に取り組んで行った事によりどのような業務改善が達成できましたか?
・自身の記帳代行業務改善への取り組みによりあなたが学んだ事はなんですか?
・会員支援内容の質を今以上に向上させるには、あなたは何をすればいいでしょうか?
・会員支援内容の質的向上をしていく為に、経営指導員とどのように連携を強化していけばいいと思いますか?(具体的な行動検討)
・単なる記帳代行支援からステップアップして、経営計画策定支援または経営改善計画策定支援につなげていく為に何をすればいいでしょうか?

今回の研修(2年越しの研修)を通じて自分自身の記帳代行業務フローを見つめ直すことにより、自身の業務の効率化と会員事業所における会計帳簿作成の手間を省く事が出来たようです。また、会員事業所からは下記のような「喜びの声」を貰えたようです。
・自分の事業所の事を気にしてくれて嬉しい
・今後の事を考えるのにいい検討材料を貰えた
・帳簿作成の手間が減って楽になった
・今後の行動がしやすくなった、将来の見通しが出来て良かった
など、会計帳簿に関する事だけでなく、もっと幅広いメリットを会員事業所に感じてもらえたのも非常にいい体験を積めたと思います。

この会員事業所からの「喜びの声」を貰えるという体験は、非常に重要です。補助員・記帳専任員は会員事業所との接点を多く持つにも関わらず、記帳代行というある意味、裏方の仕事であり、会員事業所における経営支援とは程遠い業務と感じてしまう面があります。よって、どうしても会員事業所の事業に特に興味・関心を持たずに、目の前にある数字にも興味を持つことなく単に会計ソフトへ入力して、自分が入力した結果(月次4票)における損益状況や資金状況が現状の経営状況を正しく表しているのかを気にも留めなくなり、「集計して終わり」という状況になりやすいです。

 しかし、自分が提案した事に対して、会員事業所から喜びの声を貰えた事により「自分の仕事・提案が会員事業所に役立っている!喜んでもらえた!」という仕事に対する喜びや満足感、充足感を感じる事が出来たと思います。これは、仕事へのモチベーションに繋がっていくと思われます。

また、今回の記帳代行業務改善に取り組む中で、事業承継・法人成りのシミュレーションをする機会にも恵まれました。事業承継や法人成りという相談は、経営指導員の方が受けやすい相談だと思いますが、その相談を補助員・記帳専任員が受けて、シミュレーションをしてみるという経験は非常に貴重な経験になったと思います。まさに、記帳代行業務から経営支援につながっていく相談に対応していく経験を積むことができた訳です。経営指導員からアドバイスをもらいながら、会員事業所へ報告をした結果、来年早々に現事業主から息子さんへの事業承継をする事が決まったと報告を聞いた時には私もとても嬉しかったです。

補助員・記帳専任員さんの資質向上・実践力向上を狙って
2年越しで「 補助員・記帳専任員さん 向けの研修」をしている商工会は、
多分、日本全国でもこの岡山県の赤磐商工会だけではないでしょうか。

研修企画を担当してくれた 原地さん さすがです(^^)

でも、よく考えてみれば、会員事業所との接点が一番多くあるのは記帳代行をしている職員さんなんですよね。会員事業所さんの経営数値を常に目にしているのも 記帳代行をしている職員さんなんですよね。 という事は、最前線で対応をしてくれている 記帳専任員さん・補助職員さんの資質向上は、商工会全体の資質向上の底上げをしてくれる事になります。

さぁ! 研修に参加して業務改善に取り組んだ7名の皆さん!
研修が終わったから、業務改善への取組も終わり ではないですよ!
ここからがスタートです。
是非、継続して業務の改善を進めながら、会員事業所さんに興味関心をもって、これからも素晴らしい伴走型の支援を実践していってください。

皆さんの益々のご活躍を期待しています!

そして、会員事業所さんの「自律的自立」をサポートしていってくださいね!