損益分岐点売上高の計算方法についての紹介です。

あなたの会社、あなたのお店、あなたのご商売の損益分岐点売上高は把握していますか?

・中小企業及び小規模事業の経営者
・経理担当者及び経理担当後継者     
・起業、独立を考えている方
・後継者及び後継者候補者    
の方々が学べる動画です

私が財務セカンドオピニオンとして、顧問財務担当として顧問契約している企業さんには 毎月、試算表ベースで損益分岐点売上高を計算して提示しています。 決算書から損益分岐点売上高を計算することは大事なことですが、実は、決算書からの計算では遅いんですよね。

なぜかと言うと、決算書の数値は あくまでも 去年一年間の数値の集計ですから。 経営は常に動いています。常に進んでいます。 去年の3月と今年の3月とでは、従業員の人数も、諸経費の掛け方も、仕入単価も、景気も、国の経済状況も、為替も、政策も変わっているでしょう。

だから、去年の数値から算出した損益分岐点売上高は「参考」にはなりますが、「今」を表していません。ですので、損益分岐点売上高は試算表ベースで毎月毎月 把握していくことをおすすめします。

では、説明に入りますが、【固定費・変動費】とは黒字と赤字のボーダーラインである損益分岐点売上高を求めるための第一ステップです。

変動費とは、売上高の増減に連動して増減する(変動する)経費の事です。代表的な勘定科目区としては 仕入高、売上原価、原料仕入高、外注加工費、販売手数料です。これらの科目は売上高が増減すれば、その増減に連動して変動する科目です。

また、固定費とは、売上の増減に関係なく固定的にかかる経費の事です。代表的な勘定科目としては、役員報酬、給料、法定福利費などの人件費、接待交際費や広告宣伝費、などの販売費や店舗や事務所の家賃、水道光熱費、電話代、ガソリン代などです。会社のすべての経費から変動費を除いた分と考えてもOKです。これらの科目は売上の増減に関係なく、固定的に掛かる経費です。極端に言えば、売上が無くても掛かってしまう経費です。

続いて限界利益(率)についてご説明します。ちなみに、「限界利益(率)」という表現をするのは、経済学的な表現です。

社長ぉっ!! もうぉ! 限界っす! 
これ以上どう 仕入れを工夫しても
これ以上利益は出ません!!
もうぉ! 限界っす!!

という仕入担当者の懸命なる努力、全ての手を撃ち尽くしても、これ以上利益を増やすことができない=もう限界 という意味の利益を経済学的に表現したのが ” 限界利益 ” という表現です。

・・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ウソです ごめんなさい(^^)

私が経済学を学んだ時に、「限界」という表現が出てきて、なんとか自分なりに理解しようとした方法が 上記のコレ だったんです。正式には、経済学における「限界」という表現は、 【何かが少しだけ増加した時に他のものがどれだけ増加するか、その割合】のことを「限界」と表現します。

ですから、売上が増加した時に利益(粗利益)がどれ位増加するかの割合(率)が限界利益率で、それを数値で表したのが「限界利益」です。

・・・・ って 言われても イマイチ わかりにくいですよねぇ~~

だから、、お客さんに損益分岐点売上高を説明するときには、「仕入担当者さんの必至の声」を例に説明をしていました(笑)

ちなみに、「変動利益(率)」と表現するのは、管理会計的な表現で、売上高から変動費を引いた残りの利益の事を表すから変動利益というんですが、この方がニュアンス的にわかりやすいですかね?

でも、「限界利益が・・・」と言ったほうが、なんとなくカッコ良さそうでしょ。

もし、あなたの顧問の税理士さんやコンサルタントがあなたに損益分岐点の説明をしてくれる機会があったとしたら、是非、「先生! 限界利益って何ですか?」と質問をしてみてください(笑) どんな回答が返ってくるでしょうかね 

ウッシッシッ(笑)

さて、横道、脇道、迷い道をかなりしてしまいました。本道に戻ります!

損益分岐点売上高を求めるには、
①売上高 - 変動費 = 変動利益   
②変動利益÷売上高×100 = 変動利益率   
③固定費÷変動利益率 = 損益分岐点売上高
と、この3段階で損益分岐点売上高が求められます。

では、あなたの会社の損益計算書、製造原価報告書、工事原価報告書から、あなたの会社の損益分岐点売上高を求めてください!!

この変動利益・限界利益や固定費という名称は、通常の損益計算書、製造原価報告書、工事原価報告書には記載されていません。企業会計や制度会計・税務会計の用語ではなく、管理会計の用語です。

損益計算書はある一定期間の収支を集計した計算書です。 製造原価報告書、工事原価報告書もある一定期間の売上の元になる原価を集計した計算書(報告書)です。 貸借対照表はある一定時点での財産負債の一覧表です。

これら書類(決算書)はあくまでも、【集計された結果】を表しているのであって、この集計された勘定科目をあっちに移して、コッチから引っ張り出し、ココとアソコを足て、アレで割って・・・ と集計結果を色々といじくりこねる事が結構大事なんです。

コレをするのが管理会計で、その代表的な分析指標が損益分岐点売上高です。

それで、 今一度、あなたに質問します。

あなたの会社、あなたのお店、 
幾らの売上があれば 収支トントンですか?

あなたの会社、あなたのお店、 
最低でも幾らの売上高がないと赤字になっちゃいますか?

コレは 経営する上では絶対知っておく必要がある数値ですよ。 あなたの会社、あなたのお店、 の損益分岐点売上高は? そして、実際の売上高と損益分岐点売上高とを比較して、どれだけ余裕がありますか?

仮に、現状の売上高から10%売上高が減ったとしても、赤字は出ませんか?

仮に 現状の売価を15%値引いて販売したとしても、採算は取れますか?

取引成立させるために、勝負所で幾らまで値段を落として交渉しても、会社として損は出ないでしょうか?

損益分岐点売上高は色々と応用ができます。 詳しい内容・説明は動画を御覧ください。