200社以上の会計顧問、会計指導をしてきた経験のなかから、
支援事例をご紹介いたします。

E社の社長から依頼を受けて、E社の営業部リーダー候補の男性スタッフの営業成績向上のための個人面談(個別コーチング)のサポートです。

個人面談をするのは伊藤さん(仮名:男性:当時32歳)です。彼はインテリア雑貨を卸す会社の営業担当でした。彼の給料は、基本給+営業成績に応じた歩合給という報酬形態でした。伊藤さんの面談テーマは「コンスタントに営業成績を上げていく為に目標設定と営業活動を明確にしていきたい」という内容でした。

伊藤さんとしては、営業活動の計画や優先順位を付けたりしていくのは自分自身であるという事は分かっているものの、どうしても「弱気な自分:後回しにしてしまう自分」が時々顔を出してきて、自分でも満足できる営業成績がコンスタントに出せないという悩みを解消するために個別面談を活用したいというリクエストでした。

伊藤さんとの面談が始まり、毎回、先週の振り返りとその中での問題点を抽出し、その問題点をクリアにするためのアイデアを考え、次の行動計画を決めるのが毎回の面談の内容です。私は伊藤さんに 「あれをしたらどうですか? こういう方法もありますよ!」というアイデアは提示しません。その理由は 「コンサルティングをする」事が目的ではないからです。

伊藤さんの目的は「私との個人面談を活用して、目標を達成したい・営業成績を向上したい」ですので、コンサルティング的な関わり方・指導する関わり方はしません。自律的自立を促す関わり方です。あくまでも主役は伊藤さんですから。

自律的自立を促す関わり方とは
「他に考えられる方法は?」
「何が伊藤さんの行動にブレーキをかけていると思いますか?」
「今 自分でそう言ってみてどんな感じがしますか?」
と質問を投げかけて 伊藤さんご自身に内省してもらう事です。

時には「その目標を達成したらどんなことが伊藤さんの周りで起きると思うか想像をしてみてください」「周りからはどのような声が聞こえてくるでしょうか?」というイメージを湧かせたりするサポートもします。電話でイレギュラー的にサポートする時もあります。電話ですが、紙と鉛筆と付箋を用意してもらい、電話をしながらアプローチを検討しているお客さん、アプローチ中のお客さん、クロージング間近のお客さんなどをA4用紙にマッピングして、営業先のお客さん別に次にどのようなアプローチを掛けていくのかの行動計画やどのお客さんからクロージングに持っていくかの優先順位付けなどを電話口で実施していく事もあります。
まるで、伊藤さんと私との 1 to 1 の営業会議やブレインストーミングみたいな感じですね。


このような個人面談をして行きながらも、いつも「自分の気持ちを感じてみる」というフェーズに入ると、伊藤さんが躊躇したり、声の雰囲気が変わるに違和感を感じていました。


あるとき、伊藤さんに「自分の気持ちを感じてみる」(内省する)について、深く切り込んでみた所、伊藤さんは実は「自分に自身が持てない」という悩みを抱えながら営業をしていたという事にたどり着きました。

しかし、伊藤さんの営業成績は社内でも中の上の位置で、営業成績がとび抜けている訳でもなく、ノルマを達成できないでもなくの状態です。時には営業ボーナスももらっているような営業成績です。

でも、深く聴いてみると、「いざ ここだ! という時の営業に自信が無くて・・・」という悩み。それが、決めたにもかかわらず行動出来ていないアクションプランに影響を与えていたようです。

そこで、この時を境に「単なる営業活動の個人面談」ではなく、「自分に自信を持つメンタリティの個人面談」にシフトしました。

伊藤さんとの個人面談は「自分自身について」がテーマです。色々と話しをしていくと伊藤さんが「自分に自信が持てない」という自分不信のメンタルを持ち始めたキッカケが明確になり始めました。

それは、両親との関係です。


両親との関係がクリアになっていないのが、「親から言われたあの言葉」 ⇒ (一部省略します)⇒ 「営業成績が安定しない」という繋がりがあったわけです。 表面的なテーマの「コンスタントに営業成績を上げていく為に~」をテーマで扱っていても、常に堂々巡りになってしまいます。伊藤さん自身のメンタリティな問題点をクリアにしてその問題を解決していくことで、結果として、仕事にも影響が出てくるのです。

サポート事例E社:営業成績向上のための個人面談サポート

しかし、メンタリティがテーマの面談は簡単には進みません。1歩進んでは3歩下がる。3歩進んでは2歩さがる。のような感じです。毎回 伊藤さんは個人面談を行う電話口でモヤモヤを抱えます。その時の事を思い出してもらい、怒りを表現してもらったり、訴えたい事を口に出してもらったり、色々とチャレンジをしてみますが、上手く行きません。

それでも、伊藤さんは頑張って個人面談を続けました。

伊藤さんの個人面談は4年間 行いました。その間に 営業成績も安定してきた時もあれば、凹んでしまう時もありました。山あり 谷ありです。
でも、毎回 私との個人面談の時間に 一旦 立ち止まって現状を見つめ直し、わだかまっている事、自分自身の心境、心の変化と言ったパーソナルな面と、今月、来月の営業活動について、営業先の優先順位について、などビジネスの面の両方を個人面談で扱って行きました。

個人面談を受けていく過程で、伊藤さんは 「自分の心のざわつきや安定」を自分で感じれるようになったと言っていました。そして、少なからず 自分でコントロール出来るようになったとも言っていました。

伊藤さんは 「自分の心の変化」が「仕事に対するモチベーションや行動力と連動している」(自分の心=仕事の成果)という事を私との個人面談を通じて知ったようです。


ココが まさに 自律的自立ですね。


伊藤さんとの個人面談は終了しましたが、今でも時々、「今 こんな状況ですよ!」とプチ報告の電話をしてきてくれます。伊藤さんがイキイキと仕事をしている話しを聴くと 私も嬉しいですね。

私との個人面談を行う時は 私と伊藤さんとでは上下関係はありません。「私が教える人で 伊藤さんが教わる人」とかの関係でもありません。

常に 50対50 フィフティーフィフティの関係
常に 隣にいて 伊藤さんの望む所・目指す所を一緒に見て
時には 客観的に状況を伝え
時には メンターとしての私の考えを伝え

基本 強制しませんし、絶対的な構図ではありません。
それが、私との個人面談サポートです。

サポート事例E社:営業成績向上のための個人面談サポート

注)なお、上記の内容は対象企業及び個人が特定されないように、業種・業態や相談内容などを変更をしてあります事をご了承ください。

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